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Zスコア(標準化)の求め方|偏差値との関係と使いどころ

Zスコアは「(値−平均)÷標準偏差」で求め、平均から標準偏差いくつぶん離れているかを表します。偏差値は50+10×Zです。単位の違う2つの記録を比べる例、短いほど良い記録の向きのそろえ方、合計点に効く重みの違いを数値つきで説明します。

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この記事の要点

  • Zスコアは(値−平均)÷標準偏差で、平均からの離れ方を標準偏差の個数で表す
  • 偏差値は50+10×Zで、Zスコアを見やすい目盛りに直したもの
  • 点と秒のように単位が違う記録も、Zスコアにすれば同じ物差しで並べられる
  • 短いほど良い記録は、Zスコアの符号を逆にしてから比べる
  • 点数をそのまま足すと、標準偏差の大きい科目ほど合計の順位に強く効く
目次

Zスコアは「(値 − 平均) ÷ 標準偏差」で求めます。 その値が平均から、標準偏差いくつぶん離れているかを表す数字です。

データを Zスコアに直すことを、標準化と呼びます。 偏差値は、この Zスコアを 10 倍して 50 を足したものです。

この記事では、求め方の手順と、単位の違う 2 つの記録を比べる使い方を数値例で説明します。

Zスコアの求め方(3 ステップ)

10 人が受けた漢字テスト(50 点満点)で計算します。 点数は 33・35・37・39・39・41・42・43・45・46 点です。

ステップ 1:平均を出す。 合計 400 点を 10 で割って、平均は 40 点です。

ステップ 2:標準偏差を出す。 母標準偏差(÷n)で計算すると、ちょうど 4 点になります。 標準偏差の計算の流れは標準偏差の求め方の記事で追っています。

ステップ 3:平均との差を標準偏差で割る。 45 点の人なら、(45 − 40) ÷ 4 で Zスコアは 1.25 です。 平均より、標準偏差 1.25 個ぶん上にいるという意味になります。

平均ちょうどの人は 0、平均より下の人はマイナスになります。 33 点の人は (33 − 40) ÷ 4 で −1.75 です。

偏差値は Zスコアの目盛りを変えたもの

偏差値は、Zスコアを 10 倍して 50 を足した値です。 式で書くと、偏差値 = 50 + 10 × Z になります。

Zスコア偏差値平均との位置
−230標準偏差 2 個ぶん下
−140標準偏差 1 個ぶん下
050平均ちょうど
1.2562.5標準偏差 1.25 個ぶん上
270標準偏差 2 個ぶん上

上の 45 点の人は、偏差値にすると 62.5 です。 Zスコアと偏差値は、同じ位置を別の目盛りで読んでいるだけです。

逆向きに直すときは、Z = (偏差値 − 50) ÷ 10 です。 偏差値 65 なら Zスコアは 1.5 になります。

偏差値から上位何%かを読む方法は、偏差値と上位%の記事にまとめました。 その換算は点数の分布が正規分布に近いことを前提にしているので、Zスコアでも同じ前提が要ります。

単位の違う 2 つの記録を比べる

同じ 10 人が、計算のタイムトライアルも受けたとします。 記録は 90・95・105・115・115・115・115・125・135・140 秒です。

平均は 115 秒、母標準偏差は 15 秒です。 ある人の記録が、漢字テスト 45 点、タイムトライアル 95 秒だったとします。

点と秒は単位が違うので、5 点と 20 秒をそのまま比べても意味がありません。 どちらの記録が、クラスの中で目立って良いのかを Zスコアで調べます。

記録平均母標準偏差Zスコア
漢字テスト 45 点40 点4 点+1.25
タイムトライアル 95 秒115 秒15 秒−1.33

単位は割り算で消えるので、どちらも「標準偏差何個ぶん」という同じ物差しに並びます。 ただし、このままでは向きがそろっていません。

短いほど良い記録は符号を逆にする

タイムトライアルは、秒数が短いほど良い記録です。 平均より速い人は、Zスコアがマイナスになります。

良い方向をそろえるには、短いほど良い記録だけ符号を逆にします。 −1.33 を +1.33 として読むと、漢字の +1.25 と並べられます。

1.33 は 1.25 より大きいので、標準偏差の個数で見るとタイムトライアルのほうが平均から大きく離れています。 点差 5 点と秒差 20 秒を見比べても、この比べ方はできません。

ただし、Zスコアの大小は順位の大小と同じではありません。 この例の 45 点と 95 秒は、どちらも 10 人中 2 番目の記録です。

散らばり方の形が 2 つの記録で違うと、Zスコアが同じでも順位はずれます。 順位や上位何%を比べたいときは、Zスコアではなく実際の順位を数えてください。

点数をそのまま足すと、合計に効く重みが変わる

2 科目の合計で順位を付けるとき、点数を足すか、Zスコアを足すかで結果が変わることがあります。 国語は平均 60 点・標準偏差 5 点、数学は平均 55 点・標準偏差 20 点のテストで比べます。

人国語(点)数学(点)合計点
A7050120
B5870128
人国語の Z数学の ZZ の合計
A+2.00−0.25+1.75
B−0.40+0.75+0.35

合計点では B が上ですが、Z の合計では A が上になります。 A は国語で B より 12 点高く、これは標準偏差 2.4 個ぶんにあたります。 B は数学で A より 20 点高いものの、標準偏差では 1 個ぶんにとどまります。

点数をそのまま足すと、標準偏差の大きい科目ほど合計の順位に強く効きます。 Zスコアを足すと、どの科目も「散らばり 1 つぶん」を同じ重さで数えることになります。

どちらが正しいというわけではありません。 配点どおりに数えたいなら合計点、科目ごとの散らばりをそろえたいなら Zスコアの合計、と目的で選んでください。

母と不偏、どちらの標準偏差で割るか

標準偏差には、÷n の母標準偏差と、÷(n−1) の不偏標準偏差があります。 どちらで割るかによって、Zスコアも少し変わります。

漢字テストの例を不偏標準偏差(4.22 点)で割ると、45 点の人の Zスコアは 1.19 になります。 母標準偏差で割った 1.25 より、絶対値が小さく出ます。

比べる記録どうしでは、どちらで割るかを必ずそろえてください。 2 つの違いと選び方はExcelのSTDEV.PとSTDEV.Sの違いの記事で説明しています。

Zスコアが求められない・読めない場面

全員が同じ点数なら、標準偏差は 0 です。 0 では割れないので、Zスコアは求められません。

外れた値が 1 つあると、標準偏差が大きく引っぱられます。 その影響で、ほかの人の Zスコアが全体に 0 へ寄ることがあります。

外れた値の見つけ方は標準偏差が大きい・小さいの目安の記事で扱っています。 Zスコアを出す前に、データに入力ミスが混ざっていないかを見ておくと安心です。

ツールや表計算で求めるとき

平均・標準偏差計算ツールに記録を貼ると、平均と 2 種類の標準偏差が並びます。 その値を使って、(値 − 平均) ÷ 標準偏差 を計算してください。

得点・平均点・標準偏差が分かっているなら、偏差値計算ツールに入れると Zスコアと偏差値が一緒に出ます。

表計算には、Zスコアを求める STANDARDIZE 関数があります。 記録が B2 から B11 にあるなら、次の式を入れて下へコピーします。

=STANDARDIZE(B2, AVERAGE($B$2:$B$11), STDEV.P($B$2:$B$11))

不偏標準偏差で割るときは、STDEV.P を STDEV.S に換えます。 短いほど良い記録なら、式の先頭にマイナスを付けて向きをそろえます。

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参考・出典

本記事は上記の公的機関・公式情報源を参考にしています。最新の情報は各リンク先をご確認ください。

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