背景透過したのに白いフチが残る原因と直し方
背景を透明にしたはずの画像を暗い背景に置くと、輪郭に白い線が浮くことがあります。原因は境目の画素に背景の色が混ざっていることです。ぼかしでは消えない理由と、混ざった色を引いて直す手順を実測の色で示します。
公開読了目安 約4分
この記事の要点
- 白いフチは境目の画素に混ざった背景色
- 明るい背景に置くと見えないので気づきにくい
- ぼかしは透明度だけを触るので色は残る
- 混ざった割合が分かれば元の色に戻せる
- 半透明が0画素なら直しようがない状態
目次
背景を透明にした画像を、暗い色のスライドに貼る。すると輪郭に白い線が浮いて、切り抜きが浮いて見える。
原因は切り抜きの精度ではありません。境目の画素に背景の色が混ざったまま残っていることです。
この記事では、なぜ混ざるのか、なぜぼかしでは消えないのか、どうすれば戻せるのかを順に見ます。
まず、見えていないだけのことが多い
白いフチは、明るい背景の上では見えません。白地のページに貼ると、フチの白が地の白に溶けるからです。
切り抜きツールのプレビューは、透明を示す市松模様の上に出ることがあります。市松は白と薄い灰色なので、やはり白い残りは見えません。
境目の画素は、1つの色しか持てない
画像は四角い画素の集まりです。曲線や斜めの輪郭は、画素の途中で切れます。
そこで多くのソフトは、輪郭にかかる画素を混ぜた色で塗ります。半分だけ被写体が乗っている画素なら、被写体の色と背景の色を半分ずつ混ぜます。これがアンチエイリアスです。
白い背景から切り抜くなら、境目の画素は「被写体の色 + 白」になっています。背景を消しても、この画素は被写体側に残ります。
つまり白は背景から来たのではなく、被写体の輪郭のなかに入り込んでいます。だから背景を消しても消えません。
ぼかしでは色が消えない
背景透過ツールには「エッジぼかし」という設定を持つものがあります。輪郭のギザギザをなめらかにする機能です。
これは透明度の地図にぼかしをかける処理です。触っているのは透明度だけで、画素が持っている色には手を付けません。
ギザギザは減りますが、白っぽさはそのまま残ります。緑の背景なら緑が残ります。
混ざり方が分かれば、元の色に戻せる
境目の画素の色は、次の形で混ざっています。
観測色 = α × 前景色 + (1 − α) × 背景色
αは「その画素にどれだけ被写体が乗っているか」です。半分なら0.5になります。
この式は、前景色について解けます。
前景色 = (観測色 − (1 − α) × 背景色) ÷ α
αと背景色が分かっていれば、混ざる前の色に戻せるということです。背景透過ツールの「フチに残る背景色を落とす」はこの計算をしています。
実際の数字で見ます。白背景から切り抜いた画像で、被写体がちょうど半分乗っている画素の色はrgb(143, 173, 208)でした。
この式に通すとrgb(30, 90, 161)になります。この画像の被写体そのものの色はrgb(30, 90, 160)なので、ほぼ元どおりです。
直らないときは「半透明」の件数を見る
ここまでの計算には前提があります。αが分かっていることです。
透明度が0%か100%かの二択になっている画像では、αは0か1しかありません。α=1の画素は「被写体が全部乗っている」扱いなので、式に通しても何も変わりません。
背景透過ツールでは、この「あいだ」の幅をやわらかさという設定で決めます。狭いと、境目の画素の多くが100%側に落ちます。

半透明が0画素。フチの色を取り直した画素も0画素です。直す対象がそもそも無い状態で、輪郭に白い線が出ています。
やわらかさを背景の色から被写体の色まで届く幅にすると、こうなります。

半透明が532画素になり、そのうち460画素の色を取り直しています。輪郭の白い線は消えました。
残りの72画素は、被写体がほとんど乗っていない画素です。割り算で誤差が膨らむので手を付けません。
輪郭を拡大すると差がはっきりします。


切り分けの順番
暗い背景に置いて白い線が見えたら、上から順に当ててください。
| 見えているもの | 疑う場所 | 直し方 |
|---|---|---|
| 半透明が0画素 | あいだの幅が狭すぎる | やわらかさを広げる |
| 半透明はあるが色を取り直していない | にじみ取りが切れている | 設定を入れ直す |
| 取り直したのに残る | 背景に濃淡がある | 背景の色を選び直すか、範囲を分けて処理する |
| 輪郭ではなく内側にも白が散る | 被写体のなかに背景と近い色がある | 内側の穴の通知を読み、埋め戻す |
最後の行だけは別の症状です。白い商品の白いラベルのように、被写体そのものが背景と近い色を持つと起きます。
それでも直らない題材
色の近さで分ける方法には限界があります。
髪の毛、毛皮、煙、レースのように1つの画素のなかで背景と被写体が細かく混ざるものは、境目の画素が輪郭ではなく面として広がります。この場合、どの画素をどれだけ戻すべきかが決まりません。
背景がグラデーションや模様のときも同じです。背景の色が1つに決まらないので、引く相手が決まりません。
こうした画像は、色ではなく被写体の形を認識する方法に切り替えるほうが早く終わります。
まとめ
白いフチは、切り抜きの粗さではなく境目の画素に混ざった背景色です。
透明度をぼかしても色は消えません。混ざった割合が分かって初めて、引き算で戻せます。
確認は暗い背景の上で、半透明の件数を見ながら行ってください。0画素なら、直す対象が無いという合図です。
あわせて読みたい
同じテーマ・関連ツールの記事です。