てもとツール
ガイド

横書きの読点は「、」か「,」か|公用文作成の考え方で決まったこと

横書きの読点はテンとコンマのどちらを使うのか。文化審議会の建議「公用文作成の考え方」(令和4年)の本文をもとに、原則と許容の範囲、句点のピリオドの扱い、混在を避ける確かめ方を整理します。

公開読了目安 約4分

この記事の要点

  • 読点はテンが原則で、横書きではコンマも使ってよい
  • 求められているのは1つの文書の中での統一
  • 句点のピリオドは学術的・専門的に必要な場合等に限られる
  • 欧文の中ではコンマとピリオドを使う
  • 提出先に指定があるなら、その指定が先に来る
目次

横書きの読点は、テンを使うのが原則です。ただし横書きではコンマを使ってもよく、禁止されているわけではありません。

これは文化審議会が令和 4 年 1 月 7 日に建議した「公用文作成の考え方」の内容です。この記事では、建議の本文が実際に何と書いているかを確かめます。

建議の本文はこう書いている

句読点についての記述は、本文の「表記の原則」の中にあります。

句点には「。」(マル)読点には「、」(テン)を用いることを原則とする。横書きでは、読点に「,」(コンマ)を用いてもよい。ただし、一つの文書内でどちらかに統一する。

同じ建議の解説は、もう少し詳しく書いています。

句点には「。」(マル)、読点には「、」(テン)を用いることを原則とするが、横書きでは事情に応じて「,」(コンマ)を用いることもできる。ただし、両者が混在しないよう留意する。学術的・専門的に必要な場合等を除いて、句点に「.」(ピリオド)は用いない。欧文では「,」と「.」を用いる。

この 2 か所から読み取れることは 4 つです。順に見ていきます。

コンマは使ってよい。求められているのは統一

建議がはっきり求めているのは、1 つの文書の中でテンとコンマを混ぜないことです。どちらを選ぶかは、横書きなら事情に応じて決められます。

「公用文ではコンマは使えなくなった」という理解は、本文と合いません。原則がテンになったうえで、横書きのコンマは許容として残っています。

混在は、たとえば複数の人が書いた原稿をつなぐときに起こりえます。担当ごとに入力の設定が違えば、同じ文書の中で読点が 2 種類になります。

句点のピリオドは例外の扱い

句点については、読点より書き方が強くなっています。ピリオドは「学術的・専門的に必要な場合等を除いて」用いないとされています。

読点と句点の組み合わせ 3 通りを、建議の扱いで並べると次のとおりです。

組み合わせ建議での扱い
テンとマル原則
コンマとマル横書きで許容
コンマとピリオド句点のピリオドは学術的・専門的に必要な場合等に限る

論文やレポートがこの「学術的・専門的に必要な場合等」に当たるかを、建議は分野ごとには決めていません。提出先の規定を先に確かめるのは、このためです。

欧文と数字の中のコンマは別の話

解説の最後の一文は、欧文ではコンマとピリオドを用いるというものです。英語の引用や参考文献の表記は、日本語の読点の選び方とは切り離されています。

数字も同じです。建議は別の箇所で、大きな数は三桁ごとにコンマで区切るとしています。1,000 のコンマは読点ではありません。

この区別は、あとから読点をまとめて置き換えるときに効いてきます。数字や英文の中の記号まで置き換えると、文書が壊れます。

何が変わったのか

建議は、昭和 26 年の「公用文作成の要領」に代わるものとして出されました。報道発表は、横書きの読点をテンにすることを原則としたと要約しています。

建議のもとになった国語分科会の報告は、理由として表記の実態を挙げています。左横書きの公用文では、コンマよりもテンが使われることが多いという実態です。

なお建議は、法令を直接の対象にはしていないと断っています。この記事で扱っているのも、公用文作成の手引としての考え方までです。

自分の文書はどれにするか

公用文の考え方は、政府の文書作成の手引として出されたものです。自分の文書にどう当てはめるかは、次の順で考えると迷いません。

  1. 提出先に指定があるか確かめる。執筆要領や投稿規定があれば、それに従う
  2. 指定が無く、公用文に準じた文書なら、テンとマルを選ぶ
  3. 横書きでコンマを使いたい事情があれば、コンマとマルにする
  4. どれを選んでも、1 つの文書の中で混ぜない

いちばん大事なのは 4 番目です。原則か許容かの前に、混ざっていること自体が読み手を止めます。

混ざっていないかを確かめる

長い文書では、読点が混ざっていても目では見落とします。全角のコンマと半角のコンマは、多くの書体でほとんど同じ形に見えるからです。

句読点変換ツールに貼ると、変換前の読点と句点を種類ごとの個数で出します。

変換前の読点がテン2個と全角コンマ1個、句点が全角ピリオド3個だったこと、コンマとマルにそろえた変換後は読点が全角コンマ3個、句点がマル3個になったことを示す内訳

この例は、テンとコンマが混ざり、句点がピリオドになっていた文書です。コンマとマルにそろえると、読点はコンマ、句点はマルに統一されます。

置き換えのときは、数字の中のコンマや URL の中の点を残します。操作の手順は句読点をそろえる手順にまとめています。

まとめ

横書きの読点はテンが原則で、コンマも使えます。句点のピリオドは、学術的・専門的に必要な場合等に限られます。

どれを選ぶにしても、1 つの文書の中で統一することが求められています。提出先に指定があれば、それを先に確かめてください。

参考・出典

本記事は上記の公的機関・公式情報源を参考にしています。最新の情報は各リンク先をご確認ください。

あわせて読みたい

同じテーマ・関連ツールの記事です。