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Lorem ipsumの意味と原文|日本語の画面で使うと見誤る点

Lorem ipsumは意味の通る文ではなく、古代ローマのキケロの『善と悪の究極について』の一節を切り貼りしたラテン語です。先頭のLoremは原文のdolorem(苦痛を)の一部です。原文との対応と元の意味に加え、日本語の画面のレイアウト確認に英文のダミーを使うと見誤る3つの点を、Chromeで測った値で示します。

公開読了目安 約6分

この記事の要点

  • Lorem ipsumは、キケロの『善と悪の究極について』第1巻の文を切り貼りした、意味の通らないラテン語
  • 先頭の「Lorem」は、原文の「dolorem(苦痛を)」から頭の「do」が欠けた形
  • 元の一節は「苦痛そのものを、苦痛だからといって求める人はいない」という内容
  • Chromeで16pxの英文(Inter)と日本語(IPAゴシック)を並べると、1字の平均の幅は7.43pxと16pxで、日本語が約2倍だった
  • 英文のダミーでは、日本語の語の途中での折り返しや、行頭の句読点を避ける処理を確かめられない
目次

Lorem ipsumは、意味の通る文ではありません。 古代ローマのキケロが書いた『善と悪の究極について』の一節から、語を削ったりつなぎ替えたりして作った文です。

先頭の「Lorem」も、原文の「dolorem(苦痛を)」から頭の「do」が欠けた形です。 ラテン語として読もうとしても、文としては読めません。

この記事では、Lorem ipsumと原文の対応と、元の一節の意味を示します。 あわせて、日本語の画面のレイアウト確認に英文のダミーを使うと見誤る3つの点を、Chromeで測った値でまとめます。

Lorem ipsumは原文を切り貼りした文

よく使われるLorem ipsumは、次の文で始まります。

Lorem ipsum dolor sit amet,
consectetur adipiscing elit,
sed do eiusmod tempor
incididunt ut labore et dolore
magna aliqua.

これと、キケロの『善と悪の究極について』第1巻の32節・33節を並べると、語の並びがほぼそのまま見つかります。 左がLorem ipsum、右が原文です。

  • 「Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit」→「dolorem ipsum, quia dolor sit, amet, consectetur, adipisci velit」
  • 「sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua」→「sed quia non numquam eius modi tempora incidunt, ut labore et dolore magnam aliquam」
  • 「Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat」→「ut enim ad minima veniam, quis nostrum exercitationem ullam corporis suscipit laboriosam, nisi ut aliquid ex ea commodi consequatur」
  • 「Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse」→「quis autem vel eum iure reprehenderit, qui in ea voluptate velit esse」
  • 「Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id est laborum」→「excepturi sint, obcaecati cupiditate non provident, similique sunt in culpa, qui officia deserunt mollitia animi, id est laborum」

「dolorem」は「Lorem」に、「eius modi」は「eiusmod」になっています。 語の途中で切れたり、2語がくっついたりしているのです。 「Lorem」や「eiusmod」のようにラテン語に無い形の語が入るので、文として意味はつながりません。

元の一節は「苦痛そのものを求める人はいない」

Loremで始まる部分の元は、32節の長い一文のうちの次の部分です。

neque porro quisquam est,
qui dolorem ipsum,
quia dolor sit, amet,
consectetur, adipisci velit

語ごとに意味を当てると、次のようになります。

  • neque porro quisquam est, qui: 〜する人は誰もいない
  • dolorem ipsum: 苦痛そのものを
  • quia dolor sit: それが苦痛だからといって
  • amet, consectetur, adipisci velit: 愛し、追い求め、手に入れようとする

まとめると「苦痛そのものを、苦痛だからといって愛し、追い求め、手に入れようとする人は誰もいない」という内容です。 快楽と苦痛について論じる節の一部で、ダミーの文のほうにはこの意味は残っていません。

意味の通らない文を使うと、確かめる人が中身に気を取られず、文字の量と並び方だけを見られます。 ただし、この「並び方」は英文の並び方です。

日本語の画面で見誤る3つの点

日本語のページの見た目を英文のダミーで確かめると、本番の日本語を入れたときに違いが出ます。 Chromeで、英文はInter、日本語はIPAゴシック、どちらも16pxで並べて比べました。

同じ字数でも、日本語は約2倍の幅を取る

空白も1字と数えた1字あたりの平均の幅は、Lorem ipsumが7.43px、日本語が16pxでした。 Interの英字は字ごとに幅が違い、IPAゴシックの日本語はどの字も文字サイズと同じ16pxの幅でした。

幅320pxの欄に200字を入れると、Lorem ipsumは6行、日本語のダミーは11行になりました。 日本語は1行20字なので10行のはずですが、後で述べる句読点の処理で19字の行ができ、最後の1字が11行目に送られました。 「200字まで」と決めた欄を英文で埋めて高さを決めると、日本語では収まりません。

幅の比は書体で変わるので、本番で使う書体と日本語で確かめてください。

折り返す位置が違う

英文は、単語と単語のあいだの空白で折り返します。 幅80pxの欄に「Download the dummy text」を入れると、単語ごとに4行に分かれました。 単語の途中では切れません。

日本語は、次の節の句読点のような例外を除けば、字と字のあいだで折り返します。 同じ幅の欄に「ダミーテキストをダウンロード」を入れると、「ダミーテキ」「ストをダウ」「ンロード」の3行に切れました。

ボタンや見出しのように狭い場所では、日本語の語の途中で行が変わります。 英文のダミーでは単語の途中で切れないので、この見え方は確かめられません。

句読点を行頭に置かない処理がある

日本語の文では、「、」や「。」が行の頭に来ないよう、ブラウザが前の字ごと次の行へ送ります。 10字ちょうどの幅の欄で、11字目が「、」になる文を入れると、1行目は9字で終わり、「こ、」が次の行へ移りました。

このため、日本語の行は、同じ幅でも字数が1字ずれることがあります。 右端がそろって見えるかどうかは、句読点を含む日本語の文で確かめる必要があります。

日本語のダミーと、消し忘れの防ぎ方

日本語の画面を確かめるなら、ダミーも日本語にします。 日本語ダミーテキスト生成では、段落か文の単位で、句読点を含む日本語のダミーを作れます。

このツールの文は、1文が2語以上なら、2語目に必ず「ダミーテキスト」という語が入ります。 公開の前に、ページの中を「ダミーテキスト」や「Lorem」で検索すると、消し忘れを見つけられます。

本物らしい文章をダミーに使うと、公開前の見直しで本文と見分けにくくなります。 ダミーとすぐ分かる文を使い、検索で拾える語を決めておくのが安全です。

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参考・出典

本記事は上記の公的機関・公式情報源を参考にしています。最新の情報は各リンク先をご確認ください。

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