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手描きの迷路が簡単になる理由と難しくする3つのコツ

自分で描いた迷路がすぐ解かれてしまうのは、マス目を増やしていないからではありません。同じ20×20で200通り作って数えた実測値をもとに、難しさを決めている3つの数と、手で描くときに効くコツ、やっても効かないことを整理しました。

公開読了目安 約4分

この記事の要点

  • 同じ20×20でも正解の道のりは64歩から262歩まで開く
  • 10×10の長い迷路は20×20の短い迷路より道のりが長い
  • 難しさを決めるのは道のり・分かれ道・寄り道の3つ
  • 行き止まりを増やすだけでは難しくならない
  • ゴールを外周に置くと壁づたい法だけで解かれる
目次

方眼紙に自分で迷路を描いたのに、渡した相手が 1 分で解いてしまった。そんなときに増やしたくなるのはマス目ですが、マス目の数は難しさをほとんど決めていません。

同じ大きさの迷路を 200 通り作って数えると、手応えは 4 倍近く開きます。以下では実際に数えた値を出しながら、手で描くときに何を変えれば効くのかを整理します。

同じ大きさでも手応えは 4 倍開く

まず、大きさと難しさの関係を数えました。大きさごとに 200 通りずつ作って、正解の道のり(最短の歩数)などを測った結果です。

大きさ正解の道のり分かれ道いちばん長い寄り道
10 × 1018 〜 76 歩1 〜 10 か所2 〜 50 歩
15 × 1542 〜 168 歩1 〜 18 か所4 〜 114 歩
20 × 2064 〜 262 歩2 〜 27 か所4 〜 216 歩
30 × 30126 〜 566 歩4 〜 52 か所13 〜 380 歩

20 × 20 の中だけで 64 歩から 262 歩まで開いています。同じ紙、同じマス数でこれだけ違います。

さらに 10 × 10 の長いほう(76 歩)は、20 × 20 の短いほう(64 歩)より長いです。マス目を 4 倍にしても、引きが悪ければ短い迷路になります。

迷路メーカーのばらつき表示。「同じ設定のまま番号だけ変えて30回作ると、正解の道のりは66〜236歩に散らばりました。大きさは手を動かす量を決めますが、迷う回数までは決めません。」と書かれている

難しさを決めている 3 つの数

では何が決めているのか。同じ 20 × 20 で作った 4 つの迷路の数を並べます。

同じ設定で作った4つの迷路の難しさのカード。1個目は道のり98歩・分かれ道3か所・寄り道34歩・行き止まり38か所、2個目は130歩・8か所・98歩・40か所、3個目は190歩・18か所・43歩・45か所、4個目は202歩・19か所・21歩・47か所

見るべきは次の 3 つです。

  1. 正解の道のり(手を動かす量そのもの)
  2. 分かれ道の数(正解の道の上で選択を迫られる回数)
  3. いちばん長い寄り道(間違えたときに戻る距離)

1 個目は道のり 98 歩でも分かれ道が 3 か所しかありません。迷う場面が 3 回しか来ないので、長さの割にすぐ抜けられます。

4 個目は道のり 202 歩で分かれ道 19 か所ですが、寄り道は 21 歩しかありません。間違えてもすぐ行き止まりに当たるので、戻る手間が小さく済みます。

3 個目は道のり 190 歩・分かれ道 18 か所で寄り道が 43 歩です。4 個目より短いのに手応えは大きくなります。

コツ 1: 正解の道を壁ぎわまで往復させる

道のりを伸ばすには、正解の道を紙の端まで往復させます。

手で描くと、スタートからゴールへ斜めに向かう素直な道になりがちです。左上から右下なら、右へ行って下へ行く形です。

意識して逆向き(右上へ行ってから左下へ戻る動き)を 2 回混ぜるだけで、道のりは倍近くになります。

コツ 2: 分かれ道は正解の道の上に置く

行き止まりをたくさん描いても、それが正解の道から離れた場所にあれば、解く人はそこを通りません。

分かれ道として効くのは、正解の道の上にあって、そこから別の道へ進めるマスだけです。

正解の道を先に鉛筆でなぞってから、その線の上に「もう 1 本出せる場所」を数えて置くと確実です。

コツ 3: 寄り道は深くする

分かれ道の先が 2〜3 マスで行き止まりだと、間違いに気づくのが早すぎます。

寄り道は、正解の道と同じくらいの長さまで伸ばすと効きます。上の 2 個目は寄り道 98 歩で、道のり 130 歩とほぼ同じでした。

長く伸ばした寄り道は、途中でさらに枝分かれさせると戻る距離がさらに伸びます。

やっても効かないこと

行き止まりの数を増やす

行き止まりの数は、上の 4 つで 38・40・45・47 とほとんど変わりません。それでも手応えは大きく違いました。

数ではなく、どこにあるかとどれだけ深いかが効きます。

ゴールを紙のすみに置く

スタートもゴールも紙の外周に接していると、壁に右手をついたまま進むだけで必ずゴールに着きます。

実際に 15 × 15 の迷路を 200 通り歩かせて確かめたところ、ゴールが右下のすみのときは 200 通りすべてで着きました。行き止まりを減らして周回路を作っても結果は同じでした。

これを防ぐには、ゴールを外周から離します。まんなかに置いたうえで周回路を作ると、200 通り中 147 通りで壁づたい法が戻ってこなくなりました。

ゴールが迷路のまんなかにある20×20の紙面。左上にS、中央付近にGがあり、右側の外周には出口が開いていない

ただし外周から離すと、解く人は「どこかに出口がある」という手がかりを失います。配る相手が小さい子なら、すみのままにしておくほうが親切です。

描く前に確かめる

手で描くと、描き終わるまで 3 つの数が分かりません。試しに何本か作って数を見比べたいときは、迷路メーカーで同じ大きさの迷路を作って数だけ確かめる手もあります。

操作の手順は迷路を作って印刷する手順にまとめています。

紙に描くためのマス目そのものは方眼紙メーカーで刷れます。実寸を保って刷れるので、1 マス 10mm の方眼に鉛筆で描けます。

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